スペイキャストは本流でダブルハンドの釣りをしている方ならば詳しい方も多いのではないでしょうか。
しかし、スペイキャストと言ってもとらえ方で意味も変わってきます。
トラディショナルなスペイキャストのことを言うのか、それともスカンジナビアンやスカジットといった水面を使ったキャスト方法を総称していっているのか。
まあ私自身も最近までよくわかっていなかったのですがw
初心者にはそもそもスペイキャストってなに?って方もみえると思います。
そういった方でもわかりやすいようにスペイキャストについてまとめてみました。
この記事を読めば、スペイキャストとはなにかわかっていただけると思います。
目次
スペイキャストとは?
空中で行うオーバーヘッドキャストと違い、水面にラインの一部をつけて(このラインが水面についた部分をアンカーという)行うキャスティングの総称をスペイキャストといいます。
オーバーヘッドキャストのように後方にラインを大きく伸ばさなくても良いため、岸際に障害物があってもキャストが行えるキャスティングです。
キャスティングの特徴としてキャスター後方にラインがD字状やV字状にループができます。
ロールキャストも同様なキャスティング方法ですが、スペイキャストはロッドの回転運動が加わり角度変換が可能なキャスティング方法です。
スペイキャストの由来はスコットランドのスペイ川と言われており、そこから派生して世界各地の釣り場でそれぞれの環境に対応したキャスティング方法に進化していきました。
ダブルハンドのスペイキャスト
スペイキャストにはそれぞれの地域で発展してきたスタイルがあります。
上記で説明したスコットランドのスペイ川で生まれたスペイキャストはトラディショナルスペイキャストと呼ばれています。
その他にはスカンジナビアンキャストやスカジットキャスト、シューティングスペイ、デルタシューティングスペイなどがあります。
さらに地域やキャスターによって様々なキャスティング方法が考案されていてキャスティング理論は多種多様になっています。
トラディショナルスペイキャスト動画で解説
スコットランドのスペイ川で生まれたキャスト。元々はDTラインで行なっていたが、発展に伴いヘッドが長く全体にフロントテーパーが続くラインが開発されました。
代表的なキャスティングを動画で紹介したいと思います。
スウィッチキャスト
スウィッチキャストは最初に伸ばしたラインの方向へ投げ返すスペイキャストです。
シングルスペイ
シングルスペイは角度変換をするスペイキャストの中で最も良く知られ、最も使用頻度の高いキャストです。
ダブルスペイ
キャスターの上流側に一旦ラインを置いてそれを水面から下流側に引き剥がしながら体の周りを回すようにしてキャスターの下流側でバックループを作って行うキャストです。
スネークロール
アンカーセットと同時にバックループを形成、それと同時にキャストする、エアボーン・アンカータイプのキャスト。
このYouTube動画はBlood-Knotの岡田裕師さんのものです。
また岡田さんはnoteでスペイキャストについて詳しく解説もされています。
一部有料ですが、無料で見られる範囲だけでもかなりわかりやすく解説していますので一度ご覧になってみてください。
スカンジナビアンキャスト(アンダーハンドキャスト)
北欧スカンジナビア半島で発展したスタイル。スペイと同じくアトランティックサーモンを釣るために進化したが、さらにバックスペースが狭く速い流れの川で釣りをする必要がありました。そのため短いシューティングヘッドを使った釣り方が開発されました。
特徴としてスカンジナビアンキャストはリーダーより先をアンカーにして投げるため水面を荒らすことなく静かにキャストできます。
またキャスティング時に下手を使うことでシューティングヘッドをストレートに飛ばせるようになったことからアンダーハンドキャストとも呼ばれています。
スカンジナビアン(アンダーハンド)キャストの動画
基本的にはトラディショナルスペイに近いキャスティングです。
やはり一番の特徴はリーダーより先をアンカーにして行うことにより、より静かにキャスティングが行えるという点ではないでしょうか。
本流の釣りでは自分の位置より20m~30m下流のポイントを狙うことがほとんどなので、キャスター付近の水面が荒れてもさほど影響はないでしょうが、湖沼の釣りではキャスター付近にも魚がいる場合もあるためアンダーハンドキャストは有効なのではないかと思います。
アンダーハンドキャストの生みの親、ヨラン・アンダーソンさんの動画
Loop社の創業者でもあるヨラン・アンダーソンさん、アンダーハンドキャスティオングはシルクラインをカットしてモノフィラのシューティングラインにつなげたのが始まりだそうです。
今では様々なシューティングヘッドが開発され、販売されています。
スカジットキャスト
アメリカのスカジット川でスティールヘッドを釣るために発展したスタイル。重いシンクティップや大きく重いフライを投げるように太く短いヘッドになっています。
キャスティング方法はサステインドアンカータイプ(ウォーターボーン・アンカー)のキャステイングで代表的なキャスト方法はスナップTやCスペイ、ダブルスペイなどです。
ラインを一度水面に全部置いて、水からラインを剥がす抵抗を使ってロッドに負荷をかけるキャスティング方法です。
スナップT
Cスペイ(Cキャスト)、ペリーポーク
スカジットキャスト生みの親エド・ワードの動画です。スカジットキャストをわかりやすく説明してくれています。
シューティングスペイ
スカンジナビアンと同様なシューティングヘッドシステムだが、スカンジナビアンよりヘッドが短い。またキャスティングもラインを折りたたんで投げるサステインドアンカーのキャストせす。日本の湖での釣りで発展したらしいです。
キャスティング方法はサステインドアンカータイプ(ウォーターボーン・アンカー)のキャステイングで主にペリーポークで投げるキャスティング方法です。
シューティングスペイキャスト
その他
デルタシューティングメッソドやトンガリロ・ロールなど地域やキャスター独自の様々なスタイルがあるようです。
スカジットも今はラインがすごく短くて軽くなり、マイクロスカジットなどとも呼ばれています。
正直色々ありすぎてわかりませんw
まとめ:おすすめ動画DVD
スペイキャストは水面を使ったキャスティング方法の総称です。
今回紹介した動画は全てダブルハンドでのキャスティングですが、シングルハンドでもスペイキャストはできます。
スペイキャストは渓流でのドライフライフィッシングにも応用が利きます。本流や湖沼の釣りをしない方も覚えておいて損のないキャスティングです。
私は鈴木寿さんのDVDを見てキャスティングを練習しました。また、キャスティングレッスンにも参加したことがあります。
非常にわかりやすく説明してくれるのでキャスティング技術の向上になりました。(向上しましたが私はまだまだ修行中です(^^;)。。。)
このDVDはシングルハンドからダブルハンドとフライキャスティングのテクニックについて詳しく解説しておりとても勉強になりました。
鈴木 寿 フライキャスティング大全 (Fly Rodders DVD MAGAZINE)
スペイキャストの世界も奥が深いですね。
私も今回記事を書くにあたり色々調べたりしたので勉強になりました。